生活の拠点が2階にあるお住まいで、階段の昇り降りが難しくなったとき、日々の暮らしには想像以上の不便や危険が伴います。今回は、函館市にお住まいのY様邸の事例をご紹介します。足腰が悪く、これまで階段を這って移動されていた奥様。ご主人の退院を控え、「また同じ空間で共に過ごしたい」というご家族の切実な願いを叶えるため、いす式階段昇降機「エスコートスリム」を導入された、心温まるエピソードです。
函館市にお住まいのY様邸は、リビングや生活の拠点が2階にあるお住まいです。ご利用者である奥様は足腰が悪く、室内では歩行器を使用されています。そのため、1階と2階を繋ぐ「屋内の13段の直線階段(木製)」を昇り降りすることは非常に困難で、これまでは階段を移動する際、なんと床を這うようにして必死に昇り降りをされていました。
奥様は普段ほとんど2階で過ごされているため、1階の玄関に訪問者が来た際の対応も一苦労でした。チャイムが鳴ると、奥様はわざわざ2階の窓を開け、そこから「下へ鍵を落として、訪問者自身に鍵を開けて入ってもらう」という、大変な工夫をしながら日々の生活を凌いでいらっしゃったのです。
実はご訪問時、ご主人は入院中でお会いすることができませんでしたが、普段ご主人は1階をベースに生活をされています。奥様が階段を移動できないということは、ご夫婦が同じ家の中にいながらも「1階と2階で完全に生活空間が分断されてしまう」ということを意味していました。
「階段昇降機さえ設置できれば、退院してきたご主人とまた同じ空間で、すれ違わない(共に寄り添える)生活が可能になるはず」ーーそんなご家族の切実な願いと希望を乗せて、導入の計画が進んでいきました。
設置にあたり、1階の昇降機設置側に「ある扉(開扉)」が存在することが課題となりました。そのままレールや昇降機本体を設置すると、どうしても扉と干渉してしまい、扉が開かなくなってしまう状態でした。
当初は内開きへ変更することも検討しましたが、お客様から予算を抑えたいとのご要望をいただきました。
そこで現地調査を進めたところ、別ルートから部屋へ入れることが判明。また、建築基準法上も問題がないことを確認できたため、扉は変更せずにそのまま階段昇降機を設置する方法を採用しました。
無事に設置が完了し、奥様に初めて試乗していただきました。「最初は少し怖いかも…」という不安をよそに、エスコートスリムの非常にゆっくりとしたスムーズな動きに、奥様からは「恐怖感もまったくない!」との声をいただくことがことができました。椅子の安定感もしっかりしており、これからは安心して1階へと降りることができます。
また、操作方法について「使い方を忘れちゃいそうだな…」とポツリと漏らされた奥様でしたが、そこへ心強い助っ人が登場。なんと、一緒に立ち会ってくれていた小学生のお孫さんが、弊社の取扱説明を隣で一生懸命に聞いてくれたのです!「分からなくなったら、お孫ちゃんに使い方を教えてもらうから大丈夫」と、ご家族みんなが笑顔になる、とても温かいお引渡しとなりました。
これからは窓から鍵を落とす必要も、這って階段を移動する必要もありません。退院されるご主人と笑顔でリビングで過ごす、新しい安心の暮らしがここから始まります。