住み慣れたご自宅で、大切なご家族の介護を続けるということ。それは、深い愛情とともに、日々のご家族の安全確保や体力的な負担という大きな現実との向き合いでもあります。
旭川市にお住まいのT様邸の事例をご紹介します。認知症が進行する中で足腰が弱くなってしまったご主人と、それを懸命に支える奥様。ご自宅での入浴環境の変化(リフォーム)をきっかけに、1階と2階を繋ぐ木製の屋内曲線階段(16段)へ、いす式階段昇降機「楽ちん号KF-W」を導入された経緯をご紹介します。
T様のご自宅は、1階にご主人の寝室があり、2階には普段過ごされる居間や台所、お風呂や洗面所などの水回りが集まっているという間取りです。そのため、日々の生活を送るためには、1階と2階を繋ぐ「木製の16段の曲線階段」を1日に何回も昇り降りする必要がありました。
これまでは奥様がご主人の階段移動に付き添い、必死に介助を続けられていましたが、そこには以下のような切実な課題と危険が潜んでいました。
この浴室リフォームを機に、福祉用具の貸与事業所様へ階段移動の大変さを相談したところ、いす式階段昇降機を紹介され、設置を検討されることになりました。
ご自宅の階段は1階から2階へ向かって美しくカーブを描く、途中に折り返しのある曲線階段(木製・16段)です。
この複雑な形状に合わせてレールを完全にオーダーメイド設計できる曲線型階段昇降機「楽ちん号KF-W」であれば、既存の壁や階段の形状を活かしながら、通路幅を狭めることなくスマートに設置できる点が大きな決め手となりました。また、座っているだけで安全にゆっくりと上り下りできるため、これからはご主人の体調や足元を心配することなく、いつでも安心してお風呂や居間へ案内できるようになります。
▲設置前の様子
設置工事において、特に慎重に調整を行ったのが「下階(1階)での停止位置」です。
昇降機が1階のスタート地点(乗り降りする場所)に停止した際、すぐ近くにある「正面の扉」を開閉したときに、昇降機本体やレールが扉とぶつかって(接触して)しまわないかという懸念がありました。
そこで、事前の現地調査から施工当日に至るまで、扉の可動域をミリ単位で計算。扉を全開にしても昇降機と絶対に接触しない絶妙な位置へと停止ポジションを細かく微調整し、日々の生活動線のスムーズさと安全性を両立させました。このきめ細やかな配慮には、奥様からも「これで安心して扉も使える」と大変喜んでいただくことができました。
▲1階停止位置の調整
工事が無事に完了。ご自宅でのお風呂生活が始まる前に、何としても安全な移動手段を確保したいと願われていたご家族にとって、まさに待望の瞬間です。設置された昇降機をご覧になり、ご家族様からは『待ちに待った昇降機がようやく付いた』と、心から安堵されたご様子で喜びの声をいただくことができました。
これからは、奥様がハラハラしながらご主人の体を支えて階段を昇る必要はありません。ご主人にとっても、レバー一つで安全・快適に2階へ移動できる、在宅介護の頼もしい相棒ができました。T様ご家族が、住み慣れた我が家でこれからも安心して笑顔で暮らしていくための、大切な一歩を支える施工事例となりました。