高齢化の進展により、公共施設のバリアフリー化はますます重要になっています。
中でも課題となりやすいのは、数十cmから1mほどの高低差がある「数段の階段」です。
スロープでの対応は広いスペースを必要とするため、施設の構造上、設置が難しいケースも少なくありません。
こうした課題の解決策として活用されているのは「車いす用段差解消機」です。
今回は、バリアフリー化でお悩みの施設管理者様に向けて、長年にわたり段差解消機を利用されている江別河川防災ステーション様の入替事例を紹介します。
江別河川防災ステーション様は、千歳川と石狩川の合流地点に位置する江別市の防災拠点施設です。
水防資器材の備蓄や水防活動の拠点、災害時の避難場所として重要な役割を担っています。
防災研修や河川情報の提供、各種展示を通じて防災意識の啓発に取り組む一方、2階の休憩コーナーにはコーヒーや軽食が用意されており、市民の憩いの場としても親しまれています。
館内には、明治から昭和初期にかけて石狩川で活躍した外輪船「上川丸」の実物大レプリカや、明治の街並みを再現したジオラマを展示。江別の歴史や文化に触れられるのも同施設の特徴です。
さらに、屋上の展望デッキからは石狩川や千歳川、周辺の街並みを一望できます。
※展望デッキは、安全確保のため冬季期間中は閉鎖されています。

▲インフォメーションコーナー
展望デッキは3階の屋上にあり、眺望を楽しむにはエレベーターで上がった後、さらに4段の階段を降りる必要があります。
この段差を解消するため、同施設では2002年7月に段差解消機「KL-660S」を設置。以降、23年間にわたり展望デッキのバリアフリーを支えてきましたが、部品供給の終了により修理が困難な状況となりました。
そこで、安全で安定した運用を今後も継続するために、新機種への入替を決定しました。

▲旧機種「KL-660S」
展望デッキは春から秋にかけて一般開放されており、どなたでも自由に利用できます。
その中で、年間10名ほどの車いす利用者が展望デッキを訪れているとのことです。
このように、段差解消機が活躍する機会は決して多くはありません。
しかし、「利用を希望される方のために、安全に使える設備を整えておきたい」という想いが、今回の入替を後押ししました。
今回新たに設置したのは、1,150mmの段差に対応できる車いす用段差解消機「NKL1000」です。
※1,650mmまで対応できる上位機種もあります。

▲新機種「NKL1000」
最大の特長は、キャスターが付いている点です。
使用後は保管庫へ収納するなど、状況に応じた柔軟な運用ができ、設置場所を常時占有しません。
また、移動式のため設置工事や確認申請が不要で、導入までの手間やコストを抑えられるのも魅力です。
さらに、渡り板や自動開閉スロープ、遮断棒など、利用環境に合わせたカスタマイズもできます。
こうした特長から、多くの公共施設で採用されています。

▲設置後・下階乗降位置

▲上階・乗降位置

▲保護カバー使用時
北日本メディカルは昭和62年に創業以来、段差解消機や階段昇降機を主に取り扱ってきました。
道内で2,700台以上を納入しており、公共施設への導入実績も豊富にございます。
バリアフリー化でお悩みの施設担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。
これまでの豊富な実績と経験をもとに、最適なプランをご提案いたします。