自営業や個人事業主の中には、自宅を仕事場と兼用している方が多くいます。
そして、そのような方が高齢になると問題となりやすいのが階段昇降です。
例えば1階が店舗や事務所、2階が居住スペースという場合、仕事や生活をする上で階段昇降が必要になるためです。
高齢化が進む日本において、このような方からの階段昇降機の設置依頼が増えています。
そこで今回は一例として、2階のクリニックへ行くために階段昇降機を設置したE様邸の事例を紹介します。
E様邸の事例の前に、65歳以上の高齢者が仕事を続ける割合が増えている実情を簡単に解説します。
内閣府の「令和6年版高齢社会白書」によると、令和5年の労働力人口は6,925万人で、そのうち65~69歳が394万人、70歳以上が537万人でした。
65歳以上の就業者数・就業率は上昇傾向にあり、就業者数に至っては20年連続で増加しています。
65~69歳の就業率は52.0%で、2人に1人以上が働いているのが現状です。
この調査から、60歳あるいは65歳の定年を超えても仕事を続けている方が多いことがわかります。
65歳を超えても仕事を続ける方が増える一方で、増加しているのは体の不調により階段昇降が困難になるケースです。
実際に65歳以上の高齢者の有訴者率は46.6%で、日常生活に影響のある方の割合は25.8%にもなります。※有訴者率とは、病気やけが等で自覚症状のある方の割合です。
このような社会背景から、弊社においても自宅を仕事場として活用している、あるいは活用していたご依頼主が増えています。
E様邸の奥様は、自宅の2階のクリニックで働いています。
奥様は歩行可能ですが、膝の痛みによって階段昇降が苦痛になってきたとのことでした。
そこで、階段昇降の苦痛を解消するために階段昇降機の設置を決断されます。
E様邸の階段は、15段の直線階段です。
階段の幅が広いのが特徴で、階段昇降機を設置しても昇降するスペースを十分に確保できます。
▲設置前の階段の様子
E様は階段昇降機の機種を選ぶ際、建築業者様と打ち合わせにより決定されました。
そのため、弊社では最終確認として現地調査時に商品説明を行い、操作方法や乗り降りの方法に問題がないかを確認した上で、設置することにしました。
E様が選択した機種は直線階段用のエスコートスリムです。
曲線型いす式階段昇降機と比較して設置までの期間が短く、設置費用も安価なため人気があります。
▲エスコートスリム(2階乗降場所)
その他の特長は以下のとおりです。
・6色のカラーバリエーションから選択可能
・2段階のいす回転機能を搭載
・誤作動防止機能を搭載
・操作しやすいレバースイッチを採用
・自動停止機能で安心
E様は今後の家族の介助を考えて、オプションのペンダントスイッチを取り付けています。
※ペンダントスイッチとは、本体とコードでつながったスイッチです。
▲ペンダントスイッチ
今回はエスコートスリムを選択しましたが、乗降時の安全性を高めたい方は曲線型いす式階段昇降機も検討しましょう。
上階・下階のレールを曲げることで、より広い場所で乗降できるためです。
詳しくは「曲線型いす式階段昇降機の設置事例」を参考にしてください。
設置後、奥様からは「使い方も簡単で、思ったより速度も速くて良かった。」と好評をいただいております。
弊社では、直線型・曲線型に加えて、屋内用・屋外用の階段昇降機を取り扱っています。
屋内の階段だけではなく、「外出するために外階段の昇降をなんとかしたい」というお悩みにも数多く対応してきました。
階段昇降でお困りの方は、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。