少子高齢化や過疎化により、各地のお寺では檀家さんの高齢化や減少が問題となっています。
そのような背景の中、多くのお寺では檀家さんが負担なく参拝できるように、階段昇降機を設置する動きが広がっています。
この動きはお寺に限ったことではありません。実際に、弊社には多くの宗教施設からのお問い合わせがあります。
今回は、宗教施設の管理者様に向けて、旭川市の金峰寺様の設置事例を紹介します。
金峰寺様は、旭川市のほぼ中心に位置する高野山真言宗の準別格本山のお寺です。
インド様式の本堂が特徴で、北海道三十三観音の第16番礼所となっており、多くの方が巡礼しています。
お寺の理念として、以下の2点を掲げています。
一、正しく丁寧に先祖供養を行うことを通し、檀家様に安心を得てもらうこと
一、仏教の学びを深め、正しく次の世代に伝達していくこと
理念からもわかるように、金峰寺様は運営方針として「檀家さんが安心を得られること」を重要視しています。
金峰寺様では、現在の事務所の2階を本堂にする移設計画を検討中です。
しかし、移設計画には大きな問題点がありました。
それは、先代のご住職や檀家さんが高齢となり、20段の階段を昇降するのが大きな負担になることです。
▲設置前の階段の様子
そこで、誰でも負担なく参拝できるように、階段昇降の方法を検討しました。
一つの案としてホームエレベーターの設置も検討しましたが、設置スペースや設置費用の面から、階段昇降機のほうが良いとの結論に至ります。
階段昇降機の設置にあたって、大きな問題点がありました。
それは階段下すぐ(最下階の段鼻から270mm)に防火扉があり、国産の機種を設置すると、レールと防火扉が干渉することです。
▲1階 階段前の様子
防火扉が閉まらないと火災発生時に機能しなくなるため、消防法違反となります。
万が一の際の安全を確保する上でも無視できない問題です。
そこで、弊社のネットワークを活用して、防火扉と干渉しない機種を洗い出すことにしました。
複数の企業に声をかけたところ、防火扉とレールの干渉を避けられる機種は、ドロップレールを採用できるドイツ製のステアリフトのみでした。
このことから、金峰寺様の階段にはステアリフトを設置させていただきました。
▲ステアリフト
▲防火扉をかわすドロップレール
▲2階乗降場所
・ジョイスティックで直感的に操作可能
・無線呼び送りスイッチを搭載
・折り畳み収納が可能
・安全停止機能を搭載
ステアリフトにはこれらのメリットがある一方で、外国人の体格に合わせた製品のため、座面が高い(床面から500mm以上)というデメリットがあります。
そこで、金峰寺様には小柄な方でも問題なく使用できるように、踏み台を用意していただくことになりました。
内閣府の調査「令和6年版 高齢社会白書」によると、令和5年10月時点で65歳以上の人口が占める割合は29.1%でした。そして、令和19年には33.3%となり、3人に1人が65歳以上の高齢者となる見込みです。
このように高齢化が深刻化する日本において、一般家庭や公共施設において階段昇降機の重要性は増しています。
とくに、多くの高齢者が利用する宗教施設においてはなおさらです。
「参拝者の負担を減らしたい」と考えている宗教施設のご担当者様は、この機会にぜひ弊社までお気軽にご相談ください。