介護老人保健施設や介護療養型医療施設などには、リハビリを目的に入所されている方が多くいます。そのような方の多くは、機能が回復したら在宅復帰したいと願っています。
しかし、リハビリをしても機能が完全に回復するとは限らず、障がいの影響で在宅復帰できない方も少なくありません。
そこで、おすすめしたいのは階段昇降機の設置です。
階段の昇降は在宅復帰のハードルになることが多く、階段昇降の介助は家族の負担が大きいためです。
今回は施設でリハビリ中のお母様のために、直線用と曲線用の2つの階段昇降機を設置したI様の事例を紹介します。
I様は娘さん夫婦とご両親の4人暮らしです。
お母様は車いすを利用しており、自力で歩行や階段昇降ができない状態です。
現在は、リハビリを目的に施設に入所されています。
このような状況のなか、娘さんは「お母さんと一緒に暮らし続けたい」と思っていました。
しかし、娘さん夫婦は仕事があるため、日中は介護ができません。
希望を叶えるには、何かしらの対策が必要でした。
お母様の在宅復帰を困難にしている最大の要因は階段昇降でした。
I様邸は1階が生活スペースで2階が寝室の構造で、生活するには階段昇降が不可欠なためです。
▲設置前の階段の様子
そこで、知人より福祉用具貸与事業者の店舗で階段昇降機の試乗ができると聞き、娘さん夫婦は体験に訪問されます。
体験した結果、階段昇降機があれば「お父さん一人でもお母さんの介助ができる」と判断し、弊社に現地調査を依頼されました。
お母様が自宅で暮らすには、対処の必要な階段が2つありました。
①車庫から生活スペースまでの4段の直線階段
②1階の生活スペースから2階の寝室までの90度の曲がり階段
ご要望は「1日でも早く設置したい」と「できる限り費用を抑えたい」でしたので、弊社からは以下の機種を提案しました。
①4段の直線階段には直線用のエスコートスリム
②90度の曲がり階段には曲線用のKFW
娘さん夫婦はこの提案に同意し、設置を決断されます。
階段昇降機を設置される方のよくある質問は、「設置にどれくらいの期間がかかるの?」です。
今回は直線用と曲線用を同時に受注した事例のため、納期の違いの参考として、I様邸におけるそれぞれの設置時期を紹介します。
直線用の階段昇降機の場合、ご注文より約7営業日で設置が可能です。
▲4段の直線階段には直線用エスコートスリムを設置
▲車庫から1階乗降場所
曲線用の階段昇降機の場合、レールがオーダーメイドのため40日~60日かかります。
▲90度の曲がり階段には曲線用KFWを設置
▲昇降時の様子
2階は乗り降りが安全にできるように、水平乗り込みのレールレイアウトを採用しています。
▲2階乗降位置
※2階の乗り上げ部分は、本来いすがある位置にパネルヒーターがありましたが、昇降機設置にあたりパネルヒーターの位置を変更しています。
設置後に娘さん夫婦は、エスコートスリムについて「お父さんも使えて良かった。」と話され、曲線用KFWについて「動作がスムーズで、2階は車いすから安全に乗り降りできるレールレイアウトにして良かった。」と喜んでいただきました。
今回は直線用・曲線用の双方を設置した事例を紹介しました。
しかし、「直線用と曲線用のどちらを選択すればいいの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
弊社は直線用・曲線用のどちらも豊富な実績があり、これらの経験をもとに最適な機種や設置方法を提案させていただきます。
階段昇降機について疑問がある方や在宅復帰に向けて自宅環境を整備したい方は、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。