厚生労働省の令和5年(2023年)患者調査によると、脳血管疾患の患者数は約184万人もの数に上っております。
脳血管疾患は、誰にでも起こりうる身近な病気と言えるでしょう。
これらの病気の問題は、片麻痺という後遺症が残りやすい点です。
本記事では、片麻痺や階段昇降が困難になる理由について解説し
後半ではその対応策として階段昇降機を設置したS様邸の住宅改修事例を紹介します。
片麻痺の患者さんは、次のような症状が影響するためです。
・手足に力が入らない
・バランスを崩しやすい
・痛覚や触覚などの感覚がうまく機能しない
・自分の体の状態(位置関係など)を正確に認識できない
これらの影響により、階段の昇り降りが困難になるだけでなく
転倒・転落のリスクも高くなります。
ここからは、片麻痺を患う奥様が安全に階段を移動できるように
階段昇降機を設置したS様邸の事例を紹介します。
奥様は脳出血により入院中で、左半身に麻痺がある状態です。
現在は車いすで移動されていますが、退院に向けて、杖歩行や伝い歩きのリハビリに取り組まれています。
ご家族のお話によると、退院後は2階の寝室で過ごす時間が長くなると予想される一方、食事や入浴のためには1階への移動が必要とのことでした。
1日に3~4回の移動が想定される中、退院時点で階段を安全に昇り降りするのは難しいため、階段昇降機の設置を決断されました。
S様邸の階段は、幅76.5cmの17段の直線階段です。
▲設置前の階段の様子
そこで、今回設置したのは直線階段用の階段昇降機「エスコートスリム」です。
エスコートスリムの特長
・多彩な5色のカラーバリエーション
・折り畳み幅25cmのスリム設計
・操作しやすいレバースイッチ
・自動停止機能を搭載
・上下階の「呼び送りスイッチ」を付属
▲エスコートスリム
エスコートスリムの標準仕様では、操作用のレバースイッチは上階側に取り付けられています。
具体的には、右勝手(階段の右手に設置)の場合は上階側の右手スイッチ、左勝手の場合は上階側
の左手スイッチとなり、奥様は左手での操作が困難ですので、今回は操作用レバースイッチを右側
に変更しました。
この変更により、麻痺のない右手で操作できるため、安心してお使いいただけます。
設置当日はご主人がご不在でしたが、後日、「奥様の退院に間に合って本当に良かった」と喜んでいただけました。
脳出血や脳梗塞などにより片麻痺になっても、階段昇降機を設置することで自宅での安全で安心な暮らしを実現できます。
北日本メディカルでは階段の形状やご本人の身体状況、ご予算に応じて、最適な機種の選定から設置方法まで、専門スタッフがご提案いたします。
退院後の生活や在宅介護に向けて、住まいの環境を整えたい方は是非一度
お気軽にご相談ください。