高齢になると、「階段の昇り降り」が次第に負担に感じるようになります。
特に一人暮らしの方は、介助を頼れる人が身近にいないため、階段の昇り降りに対する不安が大きくなりがちです。
そのため、外出を控えるようになり、生活の質が低下してしまうケースも少なくありません。
今回は、こうしたお悩みを抱えていた一人暮らしの高齢女性Y様が、バリアフリー住宅に「いす式階段昇降機」を設置した事例を紹介します。
K様は70代の一人暮らしをされている女性です。
10年ほど前に左脳に血栓ができた後遺症で、右半身に軽い麻痺があります。
自宅の玄関先には8段の直線階段があり、一人では昇り降りするのが難しい状態です。
以前はご主人に介助をしてもらっていましたが、そのご主人も現在は亡くなっていません。
さらに、先日の検査で左脳に再発が見つかり、いつ症状が悪化するか分からないとのことです。
このような背景からK様はいす式階段昇降機の設置を決断しました。
K様邸は、お義母様の介護経験を踏まえて設計したバリアフリー住宅です。
平屋建てで、室内には段差が一切なく、すべてのドアは引き戸になっています。
唯一の階段は、玄関までの8段の直線階段ですが、この階段も屋内に取り込まれており、住まいの一部が風除室として機能しています。
バリアフリーへの配慮は非常に行き届いており、階段の幅は広く確保されているほか、昇降機用のコンセントもあらかじめ設置していました。
▲設置前の階段の様子
K様邸に設置したのは、直線階段用の「エスコートスリム」です。
▲エスコートスリム
使いやすさとデザイン性を兼ね備えた機種で、次のような特長があります。
・木のぬくもりを感じられるデザイン
・5色から選べるカラーバリエーション
・使用しないときは折りたたんでコンパクトに収納可能
・いすは2段階に回転し、乗り降りがスムーズ
・誰でも簡単に扱えるレバースイッチ操作
・障害物を検知すると自動で停止する機能を搭載
コンパクトで安全性にも優れており、ご高齢の方が安心して利用できる設計となっています。
K様邸の階段は風除室内に設けられているため、屋内とはいえ冬場は厳しい冷え込みにさらされます。
寒いと昇降機のケーブルが硬くなりやすく、さらに勾配が32度と比較的緩やかなことから、ケーブルのたわみによる不具合が懸念されました。
そこで設置の際には、ケーブルの張力を安定させる目的で、ダブルのウェイトを追加しました。
この対応により、ケーブルのたわみを抑えることで、昇降機の安全性と耐久性を高めています。
設置後、K様は笑顔で「階段昇降機を設置してもらって、外出も苦にならなくなり大変嬉しいです。」と話されていました。
また、足の不自由なご友人もいらっしゃるそうで、階段昇降機の設置を心待ちにしていたとのことです。
K様の趣味は、庭の花々をスマートフォンで撮影し、それをもとに絵葉書を描くことです。
設置作業中も、庭先で草花の写真を撮って楽しんでおられました。
これからは階段昇降機を使うことで、負担なく趣味を続けられるだけでなく、活動範囲も広がり、生活の楽しみがさらに増えそうです。
K様のように、たとえバリアフリー住宅であっても、階段は体の不自由な高齢者にとって大きな障害です。
そのような高齢者の階段対策として、いす式階段昇降機を設置される方が増えています。
階段の昇り降りに不安を感じている方や、ご家族に高齢の方がいらっしゃる場合は、この機会にいす式階段昇降機の設置を検討してみてはいかがでしょうか。
設置方法や費用についてご不明な点がございましたら、どうぞお気軽に弊社までお問い合わせください。