2階建て住宅を検討するうえで、多くの方が懸念するのは老後の階段問題です。
年齢を重ねると、階段の昇り降りが難しくなるケースは少なくありません。
こうした不安への対策として、有効な選択肢のひとつが階段昇降機の設置です。
本記事では、老後を見据えた間取りで2階建て住宅を建て、その後、階段の安全対策として階段昇降機を設置した札幌市O様邸の事例を紹介します。
2階建て住宅では、老後になると階段が課題になりがちです。
例えば、次のようなケースが挙げられます。
・階段の昇り降りが体力的につらくなる
・疾病により自力での移動が難しくなる
・バランスを崩しやすり、転倒リスクが高くなり
・家族の介助の負担が大きくなる
2階建て住宅では、こうした問題に対して、あらかじめ対策を検討しておくことが重要です。
しかし、手すりだけでは自力での昇り降りが難しいケースへの対応に限界があり、ホームエレベーターは設置費用やスペースの確保、さらにランニングコストの面でも負担が大きくなりがちです。
一方、階段昇降機であれば必要なタイミングで後付けが可能で、自力歩行が難しい方でも安全に階段の昇り降りができます。
今回紹介するO様邸は、新築時から老後の暮らしを見据えて設計された2階建て住宅です。
将来的に階段昇降機を設置することを想定し、階段まわりにはあらかじめ工夫が施されていました。
具体的には、次のような点が挙げられます。
・1045mmという幅広い階段幅を確保
・下階側に100Vおよび200Vのコンセントを設置
こうした事前の備えにより、階段昇降機を設置できる環境が整っていました。

▲O様邸の階段の全体
O様邸で階段昇降機の設置を検討したきっかけは、ご主人の体調の変化でした。
ご主人は93歳で、それまで大きな持病はありませんでしたが、体調を崩して入院したことで足腰が弱ってしまいました。
その結果、これまで問題なく行えていた階段の昇り降りが難しくなり、日常生活にも支障が出始めました。
O様邸は2階に居間や寝室がある間取りのため、階段を避けられない環境です。
また、ご主人は体重が約80kgと大柄で、奥様にとって階段の介助は大きな負担となっていました。
こうした状況を受け、福祉用具貸与事業者からの提案もあり、階段昇降機の設置を決断されました。
O様邸の階段は、下階1段目が踊り場となる90度の曲がり階段です。

▲下階(1段目の踊り場)の様子
今回は、そのうち下階1段目から上階へ続く直線階段部分に階段昇降機を設置しました。
そのため、直線階段専用の「エスコートスリム」を採用しています。
・レールは壁から約10cmのスリム設計
・5色のカラーバリエーションから選択
・障害物を検知すると自動で停止する安全機能を搭載
・ひじ掛けと足のせ台の連動機能により操作性が向上
・指先で簡単に操作できるレバースイッチを採用
・乗り降りの邪魔にならない巻き取り式シートベルトを採用
・2段階のいす回転機能を搭載

▲1階の様子(左:乗降位置 右:収納位置)

▲2階の様子(左:停止位置 右:乗降位置)
階段昇降機は、常時待機位置を必ず1か所設定する必要があります。
下階側に設定することが多いですが、今回は下階が踊り場構造のため、常時待機位置を上階側に設定しました。

▲常時待機位置
ご主人お一人で階段昇降機を操作するのはまだ難しく、現在は奥様や甥御様のサポートを受けながら利用されています。
ご家族は「安全装置の安心感」や「足のせ台の連動機能の使いやすさ」などを高く評価され、「設置してとても良かった」と喜ばれていました。
2階建て住宅では、老後になると階段の昇り降りが大きな課題となることがあります。
O様邸のように、階段昇降機の設置を見据えた設計をしておくことで、必要になった際もスムーズに安全対策ができます。
階段昇降機は、安全性とコスト面のバランスに優れた現実的な選択肢です。
階段の昇り降りに不安がある方や、将来に備えて階段昇降機の設置を検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。