階段の昇り降りが負担になったときの対策として広がっているのは「いす式階段昇降機」です。
しかし、階段の昇り降りがつらいと感じていても、費用面で導入をためらう方もいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では一つの解決策として、曲がり階段にあえて直線階段用の階段昇降機を採用し、コストを抑えながら安全性も確保した施工事例を紹介します。
K様邸は、ご主人と奥様の二人暮らしです。
お住まいは木造2階建て住宅で、1階は奥様の趣味である陶芸のアトリエ、2階が生活空間です。
しかし近年、ご主人は肺がん治療の影響により体力が低下し、奥様も膝関節症や腰痛を抱えているため、階段の昇り降りが負担となっていました。
これまでは何とか階段を利用していましたが、体力の衰えを考慮し、いす式階段昇降機の設置を決断されました。
K様邸で階段昇降機の設置を検討する中で、最大の課題となったのが費用でした。
ご自宅の階段は、1段目に広い踊り場があり、そこから90度曲がって14段の直線が続く構造です。
実はこの住宅、2000年の新築時から将来を見据え、あらかじめ階段幅を985mmと広めに設計していました。
そのため、昇降機を設置するためのスペース自体は十分に確保されていました。

▲K様邸の曲がり階段
しかし問題は、階段の形状です。
このような曲線階段で上から下まで座ったまま安全に移動するには、ほとんどの場合で曲線用階段昇降機を採用する必要があります。
ところが、曲線用階段昇降機は階段の形状に合わせてレールを設計・製作するオーダーメイド仕様となるため、直線用階段昇降機と比べて費用が高いというデメリットがあります。
そこで、K様ご夫婦は最初の1段は自力で昇れることから、2段目以降に直線用階段昇降機を設置することにしました。
必要な範囲に限定して導入することで、コストを抑える方法です。
なお、おおよその費用感については「階段昇降機価格一覧」を参考にしてください。
今回採用したのは、大同工業株式会社の直線用階段昇降機「エスコートスリム」です。
シンプルな操作方法で扱いやすく、コストパフォーマンスや静音性に優れた機種として人気があります。
・折りたたむと幅25cmになるコンパクト設計
・選べる5色のカラーバリエーション
・レールの出幅は壁から10cmというスリム設計
・乗り降りしやすい2段階のいす回転機能
・障害物を検知すると自動で停止
・ひじ掛けと足のせ台が連動
・上下階の呼び送りスイッチで介助もしやすい
さらに弊社では、「エスコートスリム」の在庫を常に確保しています。
そのため、お問い合わせから7営業日以内での設置が可能です。
一方で、曲線用階段昇降機はレールの設計・製作に時間がかかり、設置までに30日から60日程度を要します。
このように、エスコートスリムは費用を抑えられる点に加えて、スピーディーに導入できる点もメリットといえます。

▲1段目の踊り場に乗降位置・収納位置を設定

▲昇降中の様子

▲2階の様子(左:停止位置 右:乗降位置)
階段昇降機を設置する場合、建築基準法により常時待機場所を1か所設ける必要があります。
通常は最下階に設定しますが、今回の事例は1段目の階段踊り場を常時待機場所とする必要がありました。
この場合、いすを折りたたんだ状態で有効幅750mmを確保することが求められます。
しかし、K様邸の階段の構造では、標準的な方法で設置すると階段幅が25mm足りませんでした。
そこで、通常は約300mmである下階のレールの飛び出しを特殊な架台を用いて約400mmまで延長しました。
この方法により、いす及びレールを段鼻より約100mm前方へ張り出すことで、必要な750mmの有効幅を確保しています。

▲いすとレールを段鼻より約100mm前方へ

▲有効幅750mm以上を確保
設置後、施主様からは「念願の希望がかなった」と、お喜びの声をいただきました。
また、「お互い体力的にもきつくなってきているので、これからは二人で毎日使っていきたい」とのお言葉もあり、日常生活の安心感が増した様子でした。
さらに、今後も長く安心して使用したいというご希望から、弊社の保守契約サービスにもご加入いただいています。
曲がり階段への昇降機の設置は、「費用が高い」「設置までに時間がかかる」といった理由から、導入を諦めてしまうケースがあります。
しかし今回の事例のように、階段の構造や身体状況などによっては、直線用階段昇降機を採用できる可能性があります。
重要なポイントは、「本当に必要な範囲はどこか」「どのように使うのか」を明確にし、それに最適な方法を選ぶことです。
北日本メディカルは、道内2,800件以上の導入実績があります。
その豊富な経験から、各ご家庭に適したプランを提案できるのが強みです。
階段の昇り降りに不安を感じ始めたら、まずはお気軽にご相談ください。