バリアフリー化を進める中で、次のような課題を感じていませんか?
・エレベーターの新設は建築工事も含め費用負担
が大きい
・可搬型階段昇降機の導入は職員の負担や安全面が
気になる
限られた予算や人員の中で、これらの課題を解決する現実的な選択肢に「いす式階段昇降機」を導入される学校が増えております。
既存の階段を活用できるため、導入コストを抑えながら、安全性と利便性の両立が可能です。
本記事では、こうした課題解決の具体例として、北海道旭川南高等学校における老朽化設備の入替事例を紹介します。
北海道旭川南高等学校は、旭川市にある公立高校で70年の歴史があります。
5階建ての校舎の構造は以下のとおりです。
・1階:職員室・専門教室
・2~4階:各学年の教室
・5階:音楽教室
同校は2009年に、すべての生徒が各教室へ無理なく移動できるようにするため、1~4階・4階~5階への階段にいす式階段昇降機を設置しました。
しかし、設置から16年が経過した2025年に4~5階の機種が故障しました。
その機種はすでに修理用部品の供給が終了していたため、前回の工事で新しい機種に入れ替えています。
この故障をきっかけに1~4階の設置機種も見直され、今回の入替工事につながりました。
今回入替が決定した1~4階の既存昇降機は、スギヤス製の「NUE10」です。

▲既存昇降機 NUE10
こちらも設置から16年以上が経過しており、前回の事例と同様に老朽化が進んでいました。
さらに修理用部品の供給も終了していたため、故障して使用できなくなる前に入替を行うことになりました。
新たに導入した機種は、大同工業製の「楽ちん号KF-W」です。
・5色のカラーバリエーションを展開
・バッテリー式で停電時でも利用可能
・折りたたみ式で使わないときはコンパクトに収納可能
・階段幅を広く残せるスリム設計
・立ったまま操作できるように、足のせ台とひじ掛けが連動
・オーダーメイドのレールで様々な階段形状に対応可能
楽ちん号KF-Wは曲線階段に対応した機種で、学校や公共施設だけでなく、一般のご家庭にも多く採用されています。
今回の工事では、1~4階の既存昇降機を撤去するところから作業を開始しました。
工事期間は3日間で、施工の流れは以下のとおりです。

▲撤去前の様子

▲撤去時

▲撤去後の階段とアンカー穿孔痕

▲撤去した部材

▲設置部材の搬入

▲新機種レール組付け作業時

▲新機種レール組付け

▲充電ポイント取付(4階待機場所)

▲レール架台アンカー止め

▲試運転・調整

▲完成(左:1階 右:2階)

▲完成(左:3階 右:4階)

▲撤去部材積み込み
今回の工事のポイントは、既存昇降機のレールの長さと架台の多さです。
1~4階に設置されていたことから、架台を固定するアンカーボルトの穴の数は合計で160か所にのぼりました。
撤去時はそれぞれのアンカーボルトを取り外し、穿孔痕の補修作業も行っています。
撤去に伴い発生した産業廃棄物の金属くずは580kgに達しました。
マニフェストを作成のうえ、法令に基づき適切に処理しています。
これらの作業に時間を要したため、今回の工事では3日間の施工期間を頂きました。
無理に作業を急ぐのではなく、丁寧な施工と適切な廃棄物処理を行うことで、環境保全にも配慮しつつ工事を終えています。
設置後は、床から座面までの高さが入替前の機種より低くなり、車いすからの移乗がしやすくなったと好評です。
具体的には、以前の機種では座面の高さが58cmでしたが、入替後は48.4~49.4cmで約10cmの違いがあります。
また、振動が少ないため乗り心地がよく、操作もしやすくなったとの声も頂いています。
いす式階段昇降機は、既存の階段を活用しながらバリアフリー化を実現できる設備です。
エレベーターの新設と比べて導入コストを抑えられるため、学校や公共施設など多くの施設で採用されています。
旭川南高等学校様の事例のように、長年にわたり活用されている施設も多く、現実的な方法の一つと言えます。
「エレベーターの設置は建物の都合で難しい」
「可変型階段昇降機では職員の負担が気になる」
このようなお悩みをお持ちの担当者様は、ぜひ一度ご相談ください。