障害や疾患の影響により介護が必要になると、住まいの中で困りやすいのは「階段の昇り降り」です。
足腰への負担が大きく、体力や筋力が低下している方にとってリスクがあるためです。
また、介助により昇り降りをサポートしている場合でも、支える側・支えられる側の双方に転倒や転落の危険があり、日々不安を抱えながら生活されているご家庭も少なくありません。
そのような住環境の課題を解決する手段として、広く使用されているのは「いす式階段昇降機」です。
本記事では補助金を活用し、費用負担を抑えながら階段昇降機を設置した帯広市のH様邸の事例を紹介します。
H様邸は1階が店舗、2階がご自宅という構造で、日常生活において階段の昇り降りが不可欠でした。
しかし、ご主人は週3回の人工透析を受けており、透析後は体に力が入りにくくなるため、帰宅後に階段を昇ることが困難な状態でした。
そのため、奥様が介助をされていましたが、介助中の転落リスクも高く、身体的にも精神的にも大きな負担となっていたそうです。
また、ご主人は体調によって、室内移動にも介助が必要な場面があるとのことです。
こうした状況を知っていた福祉用具貸与事業者様から階段昇降機を提案されたH様は、帯広市の「あんしん住宅改修補助金」を利用して設置することを決断されました。
北海道帯広市では、住まいの障壁を解消するための改修工事に対し、身体状況に応じて「あんしん住宅改修補助金」を交付しています。
対象となるのは、1~2級の身体障害者手帳の交付を受けている方、または要介護認定を受けている方です。
補助対象は、工事費用が10万円以上の改修工事で、最大30万円まで補助されます。
H様の事例では、申請から約2週間で交付決定通知書が届きました。
H様邸の階段は、屋内にある15段の曲線階段です。

▲設置前の階段の様子
そこで、曲線階段に対応可能な屋内用いす式階段昇降機「楽ちん号 KF-W」を設置しました。
楽ちん号 KF-Wの特長は以下のとおりです。
・オーダーメイドのレールで柔軟な設置が可能
・バッテリー内蔵で停電時も利用可能
・5色のカラーバリエーションから好きな色を選択可能
・いす回転機能で安全な乗り降りを実現
・立ったまま操作できるひじ掛けと足のせ台の連動機能
・指先で簡単に操作できるレバースイッチ式を採用
・介助しやすい無線「呼び送りスイッチ」が付属
・コンパクトに収納できる折り畳み機能を搭載

▲エスコートスリム

▲昇降時の様子
今回、特に工夫したのは2階の乗降位置です。
設置した「KF-W」は、レールを階段の構造に合わせてオーダーメイドする機種のため、住まいの構造やご利用者様の動線に合わせた柔軟な設置が可能という特長があります。
今回はその特長を生かし、2階の乗降スペースを広く確保できる位置までレールを延長し、車いすへの乗り降りを安全に行えるようにしました。

▲レールを延伸し乗降位置を広い位置に設定

▲2階乗降位置
また、既存の手すりを撤去せずに残せたことも今回のポイントです。
ご主人の階段の介助は大変危険が伴っていたそうで、いす式階段昇降機で移動できるようになり、「転落予防にもなる」と奥様にも大変喜んでいただきました。
一方のご主人は、奥様が手すりを使用するので、現状のまま残すことができて良かったと話されていました。
H様邸の事例のように、自治体によっては階段昇降機の設置に対し、補助金や助成金といった支援制度を設けている場合があります。
制度を上手に活用することで、費用負担を抑えた導入が可能です。
階段の昇り降りに不安や負担を感じている方は、お住まいの自治体の支援制度を一度確認してみましょう。
北日本メディカルは階段昇降機の機種選定や設置、設置後のアフターフォローまで一貫して対応しています。
階段昇降機に関する疑問や質問は、ぜひお気軽にご相談ください。