いす式階段昇降機の耐久年数は、一般的に約10年といわれています。
しかし、弊社では「保守点検制度」による定期的なメンテナンスを提供しており、10年を超えて使用されているお客様も少なくありません。
一方で、設置から長い年月が経過すると、修理をしたくても交換部品が手に入らなくなるケースがあります。
今回はそのような理由から、約20年使用された階段昇降機を最新機種へリニューアルしたT様邸の事例を紹介します。
T様邸では、ご主人のために2006年にいす式階段昇降機を設置しました。
T様邸の階段は曲線階段で、さらに階段が廊下に面していたため、レールの飛び出しを抑える必要がありました。
そこで、採用したのがKC7型です。
KC7型は曲線階段に対応しているのに加えて、折りたたみレールを選択できたためです。
これにより、利便性と安全性を両立していました。

▲旧機種:KC7型

▲旧機種の手動式折りたたみレール
その後、ご主人は他界され、いす式階段昇降機はしばらくの間ほとんど使用されていない状態でした。
しかし、奥様が膝や腰を悪くされたことから、再び利用されるようになりました。
現在では、日常生活を支える重要な設備となっています。
一方で、旧機種のKC7型はすでに交換部品の供給が終了しているため、修理が困難な状態でした。
故障すると、突然使えなくなることから、奥様は新機種への入替を検討されるようになりました。
今回のリニューアルにあたり、奥様が最も心配されていたのは、新機種では折りたたみレールを選べない点です。
旧機種では、折りたたみレールによって廊下の通行スペースを確保できていたため、これまでと使い勝手が変わってしまわないかという不安がありました。
そこで、新機種にした場合のレールの飛び出しが28cmになることをご説明したところ、「その程度であれば通行に支障はない」とご判断いただき、入替を決断されました。
今回新たに設置したのは、屋内・曲線階段用いす式階段昇降機「楽ちん号KF-W」です。
KF-W型は駆動方式が「チェーン・ラック式」から車のハンドルと同じ「ラック&ピニオン式」に
改良され、レールのガイドローラーも素材が「鉄」➜「樹脂」に改善されて、音が非常に静かで
スムーズな走行になりました。デザインと共に皆様には大変ご好評いただいております。
その他にも次のような特徴があります。
・5色からお好みの色を選択できる
・コンパクト設計で階段をより広く使える
・操作方法はレバースイッチ式で操作しやすい
・ひじ掛けと足のせ台が連動する
・離れて操作するリモコンが2台付属する
・バッテリー式で停電時も10往復程、稼働できる
以下より新機種と旧機種の比較です。

▲1階 乗降位置(左:新機種 右:旧機種)

▲2階 乗降位置

▲2階 収納位置

▲レール出幅・階段幅
今回の設置時のポイントは、旧機種と同じ位置に中間停止と充電ポイントを追加したことです。
旧機種では、最下階でいすを折りたたんだ状態で待機していました。
しかし、新機種では折りたたみレールがないことから、最下階に待機させると通行の妨げになる可能性があったためです。
この工夫により、これまでと変わらない使い勝手を実現しています。

▲1階 収納・待機位置(左:新機種 右:旧機種)
奥様より、新機種について以下の点をご評価いただきました。
・レールの出幅が10.7cm短くなり、階段をより広く使えること
・デザインや色合いが気に入っていること
加えて、「これからは以前よりももっと使用するようにしたい」と話され、大変満足されたご様子でした。
設置から10年以上が経過しているいす式階段昇降機は、寿命が近づいている可能性があります。
特に部品供給が終了している場合は、突然の故障によって使用できなくなるリスクがあるため注意が必要です。
長期間利用されているお客様は、この機会に新機種へのリニューアルを検討してみてはいかがでしょうか。
旧機種の部品供給状況や新機種に関するご質問などがございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。