高齢のご家族と暮らしていると、ヒヤリとした経験から住まいの安全対策を考える場面はよくあります。
そうしたときに、「できるだけ安心して暮らしてほしい」という思いから、住宅改修を検討される方も多いでしょう。
本記事では、そのような思いを背景に、住宅改修とあわせて階段昇降機を設置されたM様邸の事例を紹介します。
高齢者が暮らしやすい環境を実現するためには、次のような改修が一般的です。
・手すりの設置
・段差の解消
・開き戸から引き戸への変更
・滑りにくい床材への変更
こうした対策は、いずれも日常生活の安全を守るために有効ですが、意外に見落とされがちなのが「階段の安全対策」です。
階段は転倒リスクが高く、一度の事故で寝たきりにつながる可能性もある危険な場所です。
特に、2階建て以上の住宅では避けて通れない課題といえるでしょう。
その解決策としておすすめなのが「いす式階段昇降機」です。
ホームエレベーターのように新たに設置スペースを確保する必要がなく、既存の階段に後付けできる点が魅力です。
住宅改修のタイミングで設置すれば、より安全性を高めることができます。
今回紹介するM様邸は、70代のご夫婦と90代のお母様の三人暮らしです。
お母様は近年足腰が弱っており、平らな場所での歩行は問題ありませんが、階段の昇り降りはご家族の見守りが必要です。
このような背景から、「少しでも快適に安心して暮らしてほしい」と、M様ご夫婦は住宅改修を決断されました。
当初の計画では浴室や洗面所の住宅改修が中心でしたが、リフォーム会社からいす式階段昇降機の提案を受け、追加で設置を決定されました。
M様邸は木造2階建てで、1階が居間、2階が寝室という構造です。
1階と2階をつなぐのは、14段の90度曲がり階段です。


▲設置前の階段の様子
踊り場のある曲がり階段は、万が一転倒しても滑り落ちる距離が短く、直線階段に比べてリスクは低くなります。
とはいえ、高齢者にとっては依然として危険な場所であり、安全対策が必要です。
M様邸では、曲線階段用の「楽ちん号 KF-W」を設置しました。
楽ちん号 KF-Wの特徴
・使用しないときはコンパクトに折り畳み可能
・巻き取り式シートベルトで安全性を確保
・75度のいす回転機能を搭載
・シンプルで操作しやすいレバースイッチを採用
・誤作動を防ぐキースイッチを搭載
・バッテリー内蔵で停電時も使用可能
・肘かけと足のせ台が連動
・5色からお好みの色を選択
また、レールはオーダーメイドのため、複雑な構造の階段でも柔軟に対応できる点が魅力です。

▲1階 乗降位置


▲上昇・下降時の様子


▲2階 乗降位置(右:折り畳み時)
お母様は「この階段昇降機は今後必需品になるでしょう」と話され、これからの生活がより快適になることを楽しみにされているようでした。
高齢のご家族が安心して暮らすためには、手すりの設置や段差の解消だけでなく、階段の安全対策も重要です。
階段昇降機の設置は転倒リスクを減らせるだけでなく、ご本人の自立を支え、ご家族の介助負担を軽くすることにもつながります。
階段昇降機に関するご質問やご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。