地域の高齢化に伴い、檀家さんの階段昇降の負担軽減に取り組む寺院が増えています。
北海道函館市の臥牛山 妙心寺様でも、2階にある本堂や納骨堂へ行くための階段が高齢の檀家さんの負担となっていました。
本記事ではそのような課題に対して、屋内用直線タイプのいす式階段昇降機を設置した本寺院の事例を紹介します。
臥牛山 妙心寺様は、北海道函館市にある寺院です。
昭和21年に若松日泉僧正が「若松道場」として開創し、昭和28年に現在の「臥牛山 妙心寺」に改名されました。
昭和58年には大本山正中山法華経寺北海道別院の認可を受け、「祈祷根本道場」として信仰を集めています。
現在も元朝参りや春季大祭、盂蘭盆会といった多彩な行事が行われ、多くの方々が参拝に訪れています。
臥牛山 妙心寺様の建物の構造は、1階が事務所、2階が本堂と納骨堂です。
2階へ行くには、16段の直線階段を昇る必要があります。
しかし、近年は高齢化により、階段の昇降を負担に感じる檀家さんが増えていました。
そのため、階段の対策を検討していたとのことです。
▲設置前の玄関の様子
そのような時期に弊社からのDMをご覧になり、いす式階段昇降機の設置についてご相談をいただきました。
また、ご住職や関係者の方々は他の寺院でいす式階段昇降機を目にしており、その利便性を十分に理解されていたことも設置を決断される大きな要因となりました。
設置した機種は、屋内用直線タイプの「エスコートスリム」です。
▲上階 いす回転時のエスコートスリム
使用する際は管理者が立ち会う予定のため、「上階でいすを回転して使用する直線タイプでも問題ない」として選定されました。
また、妙心寺様の階段は幅2,800mmと広く、設置後も階段の通行に支障はありません。
・日本人の体形に合わせたデザインで使いやすい
・折り畳み機能でコンパクトに収納できる
・スリム設計で階段を広く使える
・2段階のいす回転機能で乗り降りしやすい
・肘掛けと足のせ台が連動して動く
・操作しやすいレバースイッチを採用している
▲左:1階乗降場所 右:2階停止位置
▲左:1階収納時 右:2階収納時
建物は昭和47年に建築されたもので、建築図面や検査済証の所在が不明でした。
当時の状況を知る方もおらず、確認申請の取得が可能かどうかもわからない状態でした。
そこで函館市役所で調べたところ、検査済証があることが判明。
お施主様のお付き合いのある設計事務所に依頼し、建物の平面図を作成してもらい、図面をもとに確認申請を提出しました。
図面の修正や市役所とのやり取りにより、申請受理まで約1カ月弱かかりましたが、階段昇降機の設置を無事完了できました。
階段昇降機の設置にあたり、いくつか工夫を施しています。
まず、レールの長さは全長5,700mmに延長しました。
また、1階に設置されていたスノコは、工事中にお施主様が一時撤去し、完成後にレール部分をカットして再度設置しました。
これにより、工事前と同じように階段を利用できるようになっています。
▲カットしたスノコ
ご住職は「使い方も簡単」と話され、無事に設置できたことに大変満足されていました。
近年、檀家様の高齢化を背景に、いす式階段昇降機を設置する寺院が増えています。
弊社でも多くのご依頼を承り、お喜びの声をいただいています。
階段昇降機の設置に関してご質問や疑問のある宗教施設のご担当者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。