いす式階段昇降機は、階段の昇り降りをサポートする福祉機器です。
公共施設だけでなく、多くのご家庭でご利用されています。
しかし、「いつまで使えるのだろう」と不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、1997年に設置した機種を28年ぶりに入れ替えた事例を紹介します。
いす式階段昇降機の寿命は、一般的に10年程度と言われています。
それ以上使い続けられる場合もありますが、年数が経過するほど次のようなリスクが高まります。
・故障しても修理部品が製造終了で入手できない
・駆動部分や心臓部の基盤が劣化し、途中で止まる恐れがある
・振動や揺れが増え、乗り心地が悪化する可能性がある
とくに深刻なのは、故障しても修理ができない場合です。利用者は新しい機種を設置するまで不便を強いられることになります。
今回のご依頼主様は、二人暮らしをしながら看板店を営んでいる90代のご兄弟です。
自宅の構造は1階が事務所兼倉庫、2階が住居スペースです。
住まいへ行くには、中間で踊り場のある20段の直線階段を昇る必要があります。
お兄様は平らな場所はご自身で歩行可能ですが、階段の昇り降りは転倒の危険性が高く、いす式階段昇降機によるサポートが不可欠です。
いす式階段昇降機を初めて設置したのは、1997年です。
今では生活に欠かせない福祉機器となったものの、お二人は老朽化を心配されていました。
実際に、2023年に一度入れ替えを検討したものの、予算の関係で見送った経緯があります。
しかし、最近はさらに機械の調子が悪くなっていると感じていたそうです。
そこで、長年付き合いのある電気屋さんに相談したところ、「不安なまま使用するよりも新しい機械を導入したほうが良い」と言われて入れ替えを決断されました。
今回入れ替えた機種は、楽ちん号「KF-W」です。
・5色から選択できる
・足のせ台とひじ掛けが連動する
・コンパクトに折り畳める
・レバースイッチで操作しやすい
・バッテリー内蔵で停電時も使用できる
・無線の呼び送りスイッチが標準で付属している
▲左:旧機種KC5 右:新機種KF-W
▲左:旧機種KC5 右:新機種KF-W
▲新機種KF-W 折畳み時
今回の階段は直線階段ですが、途中に踊り場のある構造です。
踊り場に合わせて、レールを折り曲げる必要があることから曲線タイプの機種を選択しています。
▲中間踊り場のレールと昇降時の様子
古い機器を取り外す際、設置時に使われていたアンカーボルトを抜く作業が最も大変でした。
また、新しいレールの取り付けは、強度を確保するために、以前のアンカーの位置と重ならないよう配慮する必要がありました。
そのため、今回の事例ではいつも以上にレールポストの位置を綿密に設計し、強度と安全性を損なうことなく設置しています。
北日本メディカルは、いす式階段昇降機の設置に加えて、365日対応の修理やメンテナンスサービスを提供しています。
定期的な点検によって機器の寿命を延ばせるだけでなく、万が一の故障時にも迅速に対応できるのが強みです。
実際に、旧機種KC5をご利用のお客様も、このメンテナンスサービスにより長期間お使いいただいています。
メンテナンスサービスの様子は、「楽ちん号KC5保守、修理」の記事をご参照ください。
いす式階段昇降機は、高齢者や体の不自由な方の暮らしを支える大切な福祉機器です。
しかし長期間使用すると、故障するリスクが高まります。
設置から10年以上経過した機種は、入れ替えを検討する一つのタイミングです。
北日本メディカルは、いす式階段昇降機の設置からメンテナンスまで、一貫してサポートしています。
入れ替えのタイミングについてお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。