高齢者の中には、入院をきっかけに歩行が困難になる方もいらっしゃいます。
長期入院による筋力低下や病気の影響など、原因はさまざまですが、退院後に特に問題となるのが自宅の階段の昇り降りです。
そのようなときの解決策の一つが、いす式階段昇降機です。
本記事では、急な階段にコンパクトな階段昇降機を設置したO様邸の事例を紹介します。
O様邸のご主人は建築業を営んでおり、ご自宅の1階部分を事務所として使用されています。
1階が事務所、2階がご自宅という構造のため、O様邸で生活するには階段の昇り降りが欠かせません。
しかし、入院中の奥様には手足の震えがあり、階段の昇り降りが困難でした。
加えて、O様邸の階段は傾斜が約45度と急です。
介助しながら昇り降りするのは、ご本人とご家族のどちらにとっても危険です。
そこでご家族は奥様が安心して暮らせるよう、いす式階段昇降機の設置を決断されました。
▲設置前の階段の様子
今回O様邸の階段に設置したのは、コンパクトなサイズと静音性に定評のある階段昇降機「エスコートスリム」です。
▲エスコートスリム 1階乗降場所
エスコートスリムは直線階段用の屋内モデルで、特長は次のとおりです。
・本体は折り畳むと25cmの薄さになる
・レールの出幅は壁から10cmで階段の幅を広く使える
・5色のカラーバリエーションからお好みの色を選べる
・レバースイッチにより直感的に使用できる
・2段階のいす回転機能により、乗り降りがしやすい
・階段の傾斜は25°~55°まで対応できる
・肘掛けと足のせ台が連動するため、立ったまま操作できる
▲ひじ掛けと足のせが連動
今回設置したO様邸の階段は17段の直線階段ですが、以下のような特殊な形状をしていました。
・1~15段目までの蹴上・踏面はともに210mm
・16段目の踏面は355mm
・最上段の17段目の蹴上は110mm
※蹴上(けあげ):階段1段あたりの高さのこと。
※踏面(ふみづら):階段の奥行きのこと
つまり、16段目と上階だけが、他の段と高さや奥行きが異なっていました。
この階段の問題点は直線階段用のいす式階段昇降機をそのまま設置すると、最上階にレール架台を設置でないため、乗降時に最上階に足が届かないことです。
降りる際には足が最上階に届かず、そのような状態で乗り降りするのは難しくなり危険です。
▲16段目の問題点
今回は設置後に建築業を営むご主人が16段目を改修して、最上階を手前に広くすることで
乗降しやすくした点です。
実際の改修後の様子は、以下のとおりです。
▲改修後の16段目と最上階
このように改修していただいたおかげで、上階でいすを回転させた際も足がしっかりと上階の床につき、乗り降りの介助を安全に行えるようになりました。
▲安全に乗降できるようになった最上階
奥様は、いす式階段昇降機の設置に合わせて退院されました。
しばらくの間は、ご主人や息子さんが階段昇降機の乗り降りやいすの回転をサポートされるとのことです。
そして、「徐々に慣れてもらい、最終的には自分で乗りこなせるようになれば嬉しい」と、ご主人はおっしゃっていました。
階段の段差が不規則だったり、形状が特殊だったりしても、いす式階段昇降機を設置できる可能性は十分にあります。
「階段昇降機を設置できるか不安」
このような方は、ぜひお気軽にご相談ください。
弊社がこれまでに培ってきた経験を活かし、最適な解決策をご提案いたします。