車いすをご利用の方にとって、段差は移動のたびに立ちはだかる壁です。
中でも玄関の段差は、外出や帰宅時の負担となり、日常生活の質(QOL)にも大きく影響します。
そのため、玄関の段差を解消することは、快適で安心な暮らしを実現するうえで重要なポイントです。
こうした課題を解決する有効な方法のひとつが、段差解消機の設置です。
本記事では、約900mmの段差があるI様邸の玄関前に段差解消機を設置した事例を紹介します。
I様の息子さんは、これまで本州で自立した生活を送っていました。
しかし、ヘルペスウイルスによる感染性脳炎の後遺症により、生活を送るのに車いすが不可欠となり、一人暮らしを続けることが難しくなったそうです。
そのため、I様邸でご家族と同居されることになりました。
玄関前には階段6段分(900mm)の段差があり、出入りの際は階段を使わざるを得ません。
しかし、スロープがないため、車いすでの移動は困難です。
そこで、ご主人は玄関前の段差に段差解消機を設置することを決断されました。
I様邸に設置したのは、「車いす用電動昇降機 UD-1200」です。
この機種は、4本の支柱による高い安定性が特長です。
I様ご家族は、息子さんが安心して使用できるようにこの機種を選ばれました。
▲4本の支柱で安心
・耐荷重200kg:電動車いすの重さや、介助者との同乗にも対応
・4本支柱構造:揺れに強く、安全で安心感のある昇降が可能
・挟み込み防止機能:ものが下部に挟まると自動で停止
・リモコン操作:ボタンひとつで簡単に昇降が可能
使いやすさと安全性を兼ね備えた設計となっており、家庭用としても高く評価されています。
▲設置前・土間工事完了
▲車いす用電動昇降機 UD-1200
▲上階 左:遮断棒開放 右:遮断棒作動中
段差解消機の設置にあたり、I様邸では機器を安全かつ快適に使えるよう、周辺環境の整備も同時に行いました。
具体的には、設置場所がカーポート内であったため、雨風の影響を受けにくいように外壁とシャッターを新たに設置しました。
これにより、悪天候の日でも安心して段差解消機を使用できます。
また、段差解消機をカーポート内に設置したことで、車への乗り降りも雨に濡れることなくスムーズにできるようになりました。
▲外壁とシャッターを設置
息子さんとの同居がスタートするのは8月初旬の予定で、息子さんご本人の感想は、まだ伺えていません。
一方、ご主人は同居までに車いすでの生活に必要な住宅改修を終え、ほっとしたご様子でした。
設置した機種については、「シンプルな作りの割に、思った以上に安全機能も考えられていて安心した。」と話されていました。
今回のI様邸のように、玄関前の段差は車いす利用者にとって大きな障壁です。
このようなケースでは、段差解消機を設置することで、安全で快適な生活が送れるようになります。
北日本メディカルでは、さまざまな住宅環境やニーズに応じた段差解消機の提案・設置を行っています。
段差や階段のことでお困りの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
ご家族の生活がより快適で安心できるものとなるよう、私たちが全力でサポートいたします。