車いすを4人以上で持ち上げて階段を昇り降りしていませんか。
持ち上げて移動する方法は1人がバランスを崩すと、被介助者だけではなく、他の介助者も転倒や転落に巻き込まれるリスクがあり危険です。
今回は車いすユーザーの安全な階段昇降のために、段差解消機を設置した釧路市某寺の事例を紹介します。
某寺の建物は平屋で、本堂と納骨堂が廊下でつながっている構造です。
▲左:納骨堂 右:本堂
通常、納骨堂へお参りされる方は本堂の入り口から入場します。
しかし、駐車場と本堂の入り口には4段(65cm)の階段があるため、車いすユーザーがお参りに来られた際は4人で持ち上げる対応をしていました。
車いすごと持ち上げて、階段昇降を介助する方法には以下のリスクがあります。
・介助者がバランスを崩すと転倒・転落する可能性がある
・4人以上の人手が必要となる
・電動車いすなど、重い場合は対応できない
・介助者への負担が大きく、足腰を痛める可能性がある
某寺でも対応するたびに、持ち上げる介助方法の危険性を感じていたとのことです。
ご住職は、過去に駐車場で転倒により骨折された方がいたことから、事故が起こる前に対策方法を検討していました。
そのようなタイミングで、日本の宮大工による段差解消機を活用したバリアフリーのアイデアをテレビ番組でご覧になります。
テレビ番組の視聴をきっかけに、お寺に段差解消機を設置したいと考え、設計事務所に相談されました。
そして、段差解消機の設置を決断し、弊社への依頼に至ります。
段差解消のアイデアとしてスロープの活用があります。
某寺でも設置前にスロープを活用したことがあります。
しかし、急勾配で使いづらく、冬場はスロープが凍結して使用できなかったそうです。
段差解消機を階段横に設置することで、これまでどおり、車いすユーザーも同じ入り口から入場できるように配慮しています。
また扉の前に設置することで、車いすユーザーがスムーズに入場できるようになっています。
▲段差解消機の設置後の様子
某寺の檀家さんのなかには、高齢のために施設や病院に入所・入院している方もいるとのことです。
そのような方から、お彼岸に車いすでお参りをしたいとの要望があったそうです。
そのためご住職からは、「段差解消機の設置により安全に納骨堂でお参りができるようになって大変良かった。」と言っていただきました。
数段の階段でも、転倒・転落すると命に関わることがあります。
実際に、3段の階段を車いすごと転落して、死亡につながったケースがあります。
そのような事態を避けるには、段差解消機の設置がおすすめです。
スロープは勾配をゆるやかにするために広い設置スペースが必要なのに対して、段差解消機は省スペースで設置できるためです。
段差解消機や階段昇降機で質問や疑問があれば、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。